3月12日以降の動きであるが、文部科学省内でライフサイエンス課を中心に検討し、私と他部署との相談も含め話を詰めた。その結果、平成13年度はこれまでの研究を継続する形で、しかし強力に研究を行い、平成14年度から文部科学省の重要プロジェクトとして採用することで大筋合意が得られている。それとともに、内耳の再生や脊髄の再生に関する技術など他の身体障害の克服技術の確立もめざしたらどうかという意見が出されている。5月中には角膜と網膜に分け、今後5〜10年の研究プランをそれぞれ一人づつの専門家にまとめてもらう予定である。
研究相談に関してであるが、3月21日に角膜再生に関して大臣政務官室で坪田教授ら研究者および厚生労働省担当官を招いて相談会を開催し、今後の研究開発方法について種々の点で合意し、市川総合病院の角膜再生センターを中心に研究を進めることとした。 4月5日京大医学部で眼科の高橋博士、本田教授、再生研の笹井教授、清水教授、ウイルス研の景山教授、中西医学部長らと相談。網膜再生プランが京大眼科、再生研、ウイルス研、神戸理研等の協力により十分成し遂げられるとの見通しで合意に達した。なお、この話し合いで幹細胞のオリジンを変え、ある種の遺伝子を導入することにより、これまで解決できなかった幹細胞からの構造蛋白をもつ視細胞への分化に高橋・景山グループが成功したとの報告を受けた。この発見は1、2週のうちに日本で特許を取ることになっている。 さらに、4月10日厚生労働省副大臣室で桝屋副大臣、奥山大臣政務官および同省の担当官と相談会を持ち、厚生労働省としても十分協力していくこと及び坂口厚生労働大臣にも十分説明しておくとの回答を得ている。なお、非公式な打診であるが日本眼科学会はこのプランに全面的に協力してくれるそうである。 4月19日に坪田教授、高橋博士が文部科学省ライフサイエンス課にこれまでの成績と今後の企画を説明し、種々討論を行った。そして他の研究費との棲み分けも含め、今後の研究計画を練り直し、再度計画の提出を行った。また私も4月19日、21日に両氏と今後の計画について相談した。これからはおそらくライフサイエンス課を中心に文部科学省として、どういう研究班、どういう研究の枠で本プロジェクトを行っていくかを決めることになろう。 それ以降も研究は進んでおり、その後の相談も含め、私が5月25日に京大を訪れ、研究する場所、必要となる研究者数などについて話し合い、その結果をもとに高橋博士より文部科学省へこれから必要となる研究費やスタッフの数などの案を提出してもらった。おそらく6月中旬までにどのようなシステムで文部科学省として応援できるかを決め、来年度の予算に反映する予定である。 |
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